※「彼女が公爵邸にいった理由」原作を、ぽちぽち翻訳機に打ち込みながらふわっと翻訳!
韓国語のかの字もしらなければ日本語も危うい人間が打ち込んでおりますので、間違いは広い心で見逃してください




「建国祭の時に披露される公演、今準備しているんですよ」
城内では準備の為物資を運ぶ多くの男たちが作業をしているようでした
「リンヤン国大使がリンヤン王室の踊り子団と共にきまして。アメもそこで貰ってきたんです」
踊り子たちは少女のような可愛らしさや清純な美しさをもつ女性たちで、どこか東洋の香りがする装いです
「どうりで普通のキャンディーにしては上等な味だと思いました。親しいんですか?もうこんなものまで貰えるなんて」
「いえ、言葉も通じません」
そう問いかけるレリアナに、ジャスティンは腕を組みながらあっさりと否定しました
「ただどこへ行っても私を見ると食べ物をくれるんですよ。まあ国籍を問わない能力です」
ジャスティンは快活に笑って言いました
「どこへ行っても飢えて死にはしなそうですね」
レリアナはそんな話を聞きながら、じいっとジャスティンの顔を見つめました
「?」
不思議そうに彼女を見つめ返すその顔は、まさしく自他共に認める美しいつくりであり、心なしかキラキラと輝いています。答えは一目瞭然と言えました。
レリアナは頬杖をつきながら、とりあえずその国籍を問わない能力のおかげじゃないでしょうね…と遠い目になるのでした。
「行ってみます?」
「行っても大丈夫なんです?出入りが制限されているんじゃないですか?」
その言葉を受けてジャスティンはすっと右手を差し出しました
「私といればどこでも行ってかまいません」
(リンヤン王室踊り子団。正直気になる)
微笑みながらそういうジャスティンに、レリアナは少し迷いながらも好奇心が勝ち、手を取りました
「それでは遠慮なく」

「少々お待ちください」
連れだって出発する前に、ジャスティンは少し席をはずして準備を始めました
「これはどうして持ってきたんです?」
「変装です。そのまま出て行けば妙な噂が出回るでしょう」
ジャスティンは司書のガウンをレリアナに着せながら、不思議がるレリアナにそう答えました
「私はレリアナ嬢がそのような形で困るのは願っていませんよ」
その言葉に、レリアナはジャスティンを見つめながら率直に返します
「意外ですね。あなたは私の困る姿を楽しむと思いました」
婚約指輪の件もあり、レリアナの言葉はもっともでした
「ちょっと違いますね。評判が落ちる側がつらく困ることは嫌なんです」
ジャスティンはレリアナを見つめ返しながらそう答えたあと、彼女に羽織らせたガウンを持つ手に力を込めました
「しかし、例えば」
彼はそのまま、レリアナをガウンごと自分の方にぐいと引き寄せ、二人の距離は一気に縮まります。
「こんな風に、」
虚を突かれなすがままになってしまったレリアナに、ジャスティンは囁くように言いました

ー困るのは見てみたい


「今日はここまでにしましょう」
そう言ってジャスティンは驚きで硬直するレリアナを解放します。
ただならぬ雰囲気になったのは一瞬のことでした。
「今日は?」
警戒心を露わに眉をひそめてねめつけるレリアナに、ジャスティンはにっこりと笑って返しました
「それは言葉のあやです」



ジャスティンは途中会釈をする近衛隊隊員に挨拶を返しつつ、レリアナを連れだって王城の中を進んでいました
すると広間の方でなにやら諍いの声が聞こえてきました
「貴女たちじゃないの!?貴女達が隠したんでしょう!」
視線の先では、衣装や髪、瞳の色さまざまのカラフル出で立ちの女性たちが、見慣れない東洋の装いをした女性たちに食って掛かっていました。どうやら自国のバレエ団とリンヤン国の踊り子団が対立しているようです。
「貴女たちが最後に使って無くなったのに、よく知らないふりできるわね!?」
先頭に立っている金髪で赤い羽根飾りと付けたバレリーナが、一方的にまくしたてます
「しゃべれないならジェスチャーでもしてみせなさいよ!!」
責め立てられている踊り子たちは、特に怯えるわけでもなく、何食わぬ顔でひそひそと仲間内で囁きあっていました
「何かあったようです」
「そうですね。見たところ通訳官が席を外しています」
レリアナが少し慌てた様子でジャスティンに声をかけると、彼も困ったふうにそう答えました
「少しの間ここに居てもらえますか?すぐ人を呼んできますから」
「はい、大丈夫です。いってらっしゃい」
急いで場を離れるジャスティンに、レリアナは素直に従います
その間にも、彼女たちの諍いはヒートアップしているようでした
「早く言いなさいよ、何してるの!?」
「聞き取れないふりをしてるんじゃないの!?」
「呆れちゃうわ、本当!」
レリアナはジャスティンを見送りながら、彼女たちの勢いに少し驚き遠巻きに様子を見ます
そこで初めて、責め立てられていた女性たちがひっそりと口を開きました
『しきりに何をぶつくさ言っているのかしら』
彼女たちは、リンヤン語で仲間内と話し始めます
『うるさいわね、あのヒョロヒョロとした人たち』
『歯でも抜いちゃおうか?そうしたら静かになると思うけど』
『そうかな~?』
『やろう、やろう』
リンヤン語が聞き取れるレリアナは、呆然とその会話を聞いていました
『一番出しゃばってる子は誰がやる?』
『私がやるわ』
無邪気に問いかける女性に、一方の女性も可憐に微笑みながら答えます
『最近体がだるいとこだったのに』
『爪が傷つくんじゃない?建国祭のために熱心に手入れしたんだけど』
『手袋あげようか?そうだと思って用意してきたのよ』
和やかにやる気満々なその会話に、レリアナは硬直したまま次第に顔色が悪くなっていきました
『よしなさい。外交問題に飛び火しかねないわ』
『ソンレイ姉さん』
そこへ長い黒髪の落ち着いた雰囲気をもった女性が、たしなめるように間に入ります
(良かった。過激じゃない人もいるのね)
彼女の言葉に、レリアナはほっとした笑顔をみせました
(優雅な上に気立ても良ー…)
『あちらが先に攻撃してくるならともかくとしてね』
ソンレイと呼ばれたその女性は、美しい笑みのままそう言い放ちました
『さすが姉さん!賢明です!』
『こうしたことを1、2回してみたの?噛み付く件数を先に作ってはいけないわ』
『それでは待ちましょうか?』
(……?!)
予想外の発言にレリアナは愕然として理解が追い付きません
『あの殺気立った床板を見たところ今にも爪でもたてそうね』
視線の向こうには怒りの表情で口をへの字にしながら睨む女性たちがいました
『刃物は用意できてる?』
『もちろんです』
(そんなの持ってるの!?)
リンレイが平然と仲間の踊り子に尋ねると、彼女もまた笑顔で袖の中で光る得物を見せ、レリアナは心中で叫びました
(怖っ。誰がこの踊り子団を大陸の花束なんて命名したのよ)
レリアナは苦笑いしながら彼女たちを見つめました
(いや花束じゃなくて、歯が抜かれそうなのが問題よ。彼女たちに比べたらうちの国のバレエ団は温室育ちの草花だしすぐに折れちゃうわ)
まさにそう不安に思っていたところで、ついに金髪のバレリーナが歩みでてきてしまい、レリアナは大いに慌てます
「ちょ、ちょっと待ってください!」
レリアナは必死の形相で彼女たちの間に割り込みました
「どういうことか説明してください!」
そして背後の踊り子団に目配せしながら、リンヤン語で話しかけました
『私が通訳します』


「…それで修理しようと他の人が持って行ったそうです」
通訳として間をとりもったレリアナは、事の次第を双方に伝えました
『お嬢さん、これも通訳してください』
ソンレイが朗らかにそう話しかけてきたので、レリアナも笑顔で応えようとします
お前たち、この娘のおかげで無事に立っていられるのよ
円満に解決して幸いと思っているだそうです
レリアナは笑顔を貼り付けたままバレリーナに通訳をしました
ソンレイに続いて他の踊り子たちも、レリアナの後ろから無邪気に話しかけてきます
『そうそう。綺麗な顔に刀痕がつくのはなんとか避けられたね』
「美しい方々にご迷惑をかけたかと心配されたそうです」
『そうね。歯を抜かれてわあわあ泣きながら家に帰るところだったわよ』
「もうすぐ同じ舞台に立つのに、お互いにわだかまりを残したまま別れることにならなくて幸いだと言っています」
レリアナは彼女たちの毒をはらんだ言葉たちを、続けざま変換して伝えていきました。悟りを開いたような笑顔はもはや後光がさす勢いです
レリアナの語ったその殊勝な言葉に、いきり立っていたバレリーナも落ち着きをみせ、素直に誤解を認めたのでした
「私達こそ…早合点して本当にごめんなさい」

事が解決したあと、ジャスティンはようやく通訳を連れて戻ってきました
よほど急いだようで、彼はけろりとしていますが、後ろに引き連れた通訳官はげっそりとした表情で息を切らせています
「リンヤン語も話せるんですか?」
「少しだけですが」
到着するなり笑顔でそう尋ねたジャスティンに、レリアナは苦笑して返しました
『お嬢さん』
呼びかけにふと後ろを振り向くと、ソンレイがひっそりと笑みを浮かべて佇んでいました
『時間が許すなら少しの間そこに座っていかれませんか?』
さながら織姫のような衣装のたっぷりとした袖を翻し、ソンレイは笑顔で舞を始めます
『お礼に良いものを見せて差し上げます』
「わあ~!」
花が舞い散るような艶やかで美しい光景に、レリアナの目は輝き、感嘆の声をもらすのでした


つづく
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年末繁忙期に伴いめっきりペースがおちました、どうも私です。申し訳ありません…
それはともかく、今回も中々に長いパートではありましたが、楽しい回でした
ジャスティンのこの侮れない所、オラわくわくすっぞ!
情は深いしチャラいわけでもないんですけど、この確実に女性慣れしてて駆け引き上手なところ、レリアナじゃなかったら100%落ちてるよな…って思いますよね…赤面すらしないレリアナは逆にすごすぎます笑
そして可憐な見た目で中身が奔放すぎるリンヤン踊り子団登場ですレリアナは王城に来るとあらゆる人に振り回されっぱなしで同情を禁じ得ませんね

これは蛇足なので飛ばしていいんですが、めちゃめちゃ翻訳苦労したところがありまして、「歯を抜く」云々の部分。
「歯」という単語が韓国語の「トウモロコシ」となっていて、不穏な発言のなかいきなり出てきたトウモロコシを引っこ抜くセリフに、試行錯誤の上「韓国ではトウモロコシを引っこ抜くことがもしや侮辱につながる…!?」とまで考えて、そのままUPしようかと見事に迷走しました
いくら検索しても出てこず、不意にみつけたのが、スラングで「歯」を意味するということだったんですね。なるほど似ている。
ほかにもいろいろと怪しい所はあるのですが…殺気立った床板とか…日本でいうまな板みたいなことかな…まあそれはいつもの事なので。ピッコマ先生を正座で待ちましょう
スラングに特化した翻訳機が別枠でほしいところですね…